月別アーカイブ: 2011年5月

新しい富の作り方

何故買ったのか。
読書予定の本の小山から3カ月ぶりに手に取ってみたのですが、なんという即物的なタイトルなんだと一瞬読むのを躊躇したぐらい。でも目次を見て急に読んでみたくなりました。
 
新しい富の作り方
著者:菅下清廣
 
この本が書かれたのは昨年末。帯には2011年は・・・と大書きされている。もう半分が過ぎようとしていますので、半分は無駄になったのかなぁ。とか思っていたのですが、2038年ぐらいまでの日本と世界の情勢予想が書かれているので、今から読んでも遅くないみたいです。
 
『日本の歴史トレンドと算命学の鬼門通過現象』から将来を予測するそうです。
・・・(・・;
 
国家の時代サイクルは各10年の5つのトレンドから成る。その5つとは、動乱期、教育期、経済確立期、庶民台頭期、権力期。教育期の5〜8年目には鬼門通過現象がある。このとき、大内乱、外敵の侵入、大災害、時代を画する技術革新などがおこるそうです。現在の日本は1997年から新しいサイクルに入り、現在は教育期の鬼門通過の頃に当たっているそうです。
 
ここまで読んで、これはトンデモ本か?と思ったのですが、意外や意外、大変面白い本でした。
 
本書では鬼門通過現象として「平成の桜田門外の変」「北朝鮮の崩壊」「中東の火種の拡大」を上げていますが、もう大災害が起こってしまいましたね。これだけを見ると鬼門通過現象というのも信じてしまいますね。
 
リーマンショックの頃、「日本のデフレの経験を・・・」と発言する政府高官がいたが、アメリカが日本並みの政策実行力しかなく、日本と同じようになす術もなくデフレに苦しむと思っていたようだ。著者の表現によれば『その能力は、日本の財務省や日本銀行とまったく違います。いうなれば、普通乗用車とスーパーカーの違いです。』『FRBのバーナンキ議長は、デフレと戦うよりもインフレと戦ったほうが、勝ち目があると考えているフシがあります。』そうだろうなぁそういう見方が正しいだろうなぁ。
 
今まで読んできた経済本との共通点。「日銀を嘲笑している。」「期待インフレ率を上昇させるとデフレ経済から脱却できる。」「円高でたいへんだ、日本国債がデフォルトするかもしれない───。そんな話は、いまのところすべて世迷いごと。」などなど。
 
現在の日本経済は、デフレの臨界点、ミッドウェー海戦前夜のような状況で、これを過ぎると敗戦一直線。デフレを放置するとデフレ大不況がやってきて、二度と元の状態に戻れない。『2011年はそのような帰趨を占う重要な1年になります。』とのこと。ん…。
 
このままでは、これからの日本経済は、超円高、超株安、超デフレになる可能性が高いとのこと。
 
あ…なんと憂鬱になる事か。
 
少しだけ明るい予想。算命学の代数理論によると、95代目以降の首相は、日本にとって期待が持てる人物になるそうです。94代は管首相です。早く変えた方が良さそうだ。
 
この本は日本だけでなく世界についても予想しています。アメリカ、ロシア、中国、EU、そしてトルコ。なるほどねと思わされます。
 
最後に、本のタイトルについてですが、現在富を持っていないと無理そうです。(^^;

遺産分割審判(6)

審問期日の一回目。
とはいっても今までと同じで、何ら変わったところはなし。
 
さて内容は、と言いますと、土地の評価額の算定を残すのみとなりました。
 
こちらは、以前から鑑定を求めていましたので、裁判官は相手方にも意向を尋ねました。
すると相手方も鑑定に同意。費用も負担するとのこと。
 
ところが3週間後、相手方弁護士から提出された『上申書』には
鑑定をしないことに決めました。と…
 
まぁ妥当な判断でしょう。でも、これは鑑定をすると評価額が下がるというのを認めたようなもの。
 
両者で意見が分かれましたが、裁判所はどうするのかなぁ。
鑑定しないわけにはいかない様な気がするけど。

世界が絶賛する「メイド・バイ・ジャパン」

気軽に読めるかと思って手に取ってみました。
 
世界が絶賛する「メイド・バイ・ジャパン」
著者:川口盛之助
 
”萌寺”
なんと異彩を放つ単語だことだろう。
 
”寺ズッキュン!”
意味分からん。
 
梱包に使う”プチプチ”。
人種はおろか赤ん坊や猿までも潰したくなるそうだ。
 
ソフトパワーやらサブカルやら最近流行りの物事を取り上げているが、どうも物足りない。
文体のせいなのか全体的に雑談のような本。
 
「世界が絶賛する」ではなく「著者が絶賛する」の間違いではないだろうか。
それ以前に、どこを読んだら「絶賛」が書かれているのだろう。
これほどタイトルと中身の合わない本は初めて。
ある意味、当初の考え通り気軽に読めたのだが…(~_~;

デフレと超円高

デフレを扱った本、というものが色々とあるようですが、ベストセラーは読まない主義ですので、そこまで売れていなさそうな本を読んでみる事にしました。(失礼な!)
 
デフレと超円高
著者:岩田規久男
 
著者は98年まで経済学部の教授をされていた金融・都市経済学を専門とする学者。著作も多数あるようですが、現在何をされているのかは著者略歴に書かれてない。初めて見る名前だったので有名な人なのかは知りません。
 
デフレは日銀の金融政策で解消できる。具体的にはマネタリー・ベースと超過準備を持続的に拡大させ、予想インフレ率を上昇させること。その結果、円高も治まる。福井日銀は0(ゼロ)インフレ・ターゲット、白川日銀はデフレ・ターゲット。なら、緩やかなインフレ・ターゲットも出来るだろうというのが著者の考え。
 
デフレはなぜいけないのか。円高になると輸出産業に不利で、輸入品と国内で競争する産業にとっても不利。企業は利益を上げられないため、賃金が下がり、非正社員が増え、失業率を上昇させる。資産価値を下げ、借金の負担が重くなる。社会保障制度が維持できなくなる。財政再建ができなくなる。から。
 
巷で言われている、安価製品輸入デフレ説、中抜きデフレ説、生産性向上デフレ説、銀行デフレ説、低生産性デフレ説、生産年齢人口減少デフレ説、これら「構造デフレ説」のどれも誤り。これらは言いかえると、金融政策ではデフレを止められないという前提がある。
 
しかし、なら金融政策として(本文より)
『「日銀が長期国債をもっと買うべきだ」というと、日銀も「構造デフレ説」論者も、「ハイパー・インフレになる」、「円の対外相場が暴落する」、「国債価格が暴落し、金利が暴騰する」といいだす。
中略
何かというと、「ハイパー・インフレだ」、「円の暴落だ」、「金利の暴騰だ」と騒ぎ立てる人がいるが、これは「日本人は、世界の多くの国のように、適度のインフレも、適度の為替相場も、適度の金利も実現できない低能な人種だ」といっているのに等しい。』
 
大笑いした。いいぞ、もっと言ってやれ!
 
基本的に素人向けに噛んで含むように書かれています。名目・実質・実効なんて見慣れない言葉が並ぶと意味を考えながら読むだけで大変ですが、一読の価値ありです。

実録 政治vs.特捜検察

検察審査会、証拠改竄、国策捜査、冤罪事件に再審無罪等々随分身近な話題になった感がある検察という組織に対する告発の書、なのかと思って買ってはみたのだが…
 
実録 政治vs.特捜検察  ある女性秘書の告白
著者:塩野谷晶
 
著者は、相沢英之、坂井隆憲両議員の秘書を経て衆参選挙へ立候補し落選。三度目の選挙に臨んだ矢先、坂井議員の収支報告書に関する政治資金規正法違反容疑で逮捕されたそうです。2003年のことですが、すいません記憶にありません(^^;本書を読んだ限りでは、かなり自己中心的で自己顕示欲が強いタイプとお見受けする。まぁこれぐらいアクが強くないと政治家に成ろうとは思わんのかな。でもそういう人間が多いとマイナス面の方が大きい気がする。
 
内容は、
政治資金規正法違反での逮捕者第一号である著者の逮捕から裁判までの経験
石川知裕衆議院議員との対談
若狭勝弁護士との対談
政治家秘書の仕事
の四つから構成されています。
 
政治資金規正法なんて、曖昧で不完全で矛盾だらけで効果も無く、どの政治家も程度の差こそあれ違反状態なのに、どうして自分達だけがいきなり逮捕され有罪になり、公民権停止になったのか。告白というより懺悔に近い内容で、ちょっと拍子抜けしました。
 
言いたいことは理解できるし、悔しさがにじみ出ているその気持ちもわかるけれど、なぜだかしっくりこない。そりゃそうだろう、読んだ人は恐らく一様に「そりゃいかんやろー」と思うような内容だからだ。
 
世の中が変わる。自由競争は不正を招く。それを防ぐために情報公開を求め、説明責任を求める。最近話題の生食用肉の販売なんかも曖昧で、取り締まる側も取り締まられる側もある種阿吽の呼吸のようなもので問題なくやっていたのに、調子に乗り過ぎたのかそれをぶち壊しにするような事件が起きる。すると規制が厳しくなる。この事件だけでなく、世の中の全てがその様にして変わっていっていないだろうか。こういった重大な事件が起きなくても、取り締まる側が少しずつ取り締まる基準を下げることもある。
 
そういった世の中の変化に政治家やその秘書が疎いというのはどういうことだろう。事件に関して著者の反省点は理解できるので責める気はないけれど、これまたなぜだかしっくりこない。
 
こういう状態の著者が、現在疑惑の渦中にいる石川議員と対談しても何となく噛み合わない。元検事の若狭弁護士には愚痴を言っているようにしか読めない。同じく逮捕されながら詐欺で有罪の辻元清美議員は公民権停止にならないことに対する不満もわかるけど苦笑するしかない。
 
問題として取り上げられている特捜部の取り調べについても世の中で喧伝されている以上の情報は読み取れない。最後に取り上げている政治家秘書の仕事のことなんか特捜検察と何の関係もない。別の本にしてもよかったのにな。