月別アーカイブ: 2011年2月

きことわ

芥川賞のもう一つの受賞作を読んでみました。
 
きことわ
著者:朝吹真理子
 
とにかく文章がきれい。情景の描き方が細やかでリアル。でもくどくない。
・・・いた。・・・いた。・・・いた。
なんて調子の文章を自分で書くと、なんておかしな文章だと嫌になるけど、
この著者が書くと全く気にならない。プロはみんなそうなのだろうか?(^^;
 
さて、お話の中身はと言えば、これまたヤマもオチもなし。
そういうものを求める方がおかしいのかな。
そんなものより物語の世界に浸りたい方にはお薦め。
 
子供の頃、姉妹のように仲の良かった二人の少女が、25年後に再会するという
お話しなんですが、全然!興味が無かったので読むのが正直辛かった!
 
自分には、興味のある新書でも読んでいる方が向いているみたい。

苦役列車

賞をもらった作品は読まないほうなのですが、週一冊の掟のため読んでみました。
 
苦役列車
著者:西村 賢太
 
ヤマもないオチもない。
盛り上がりそうな場面でことごとく盛り下がる。
だから読み終わった後、百両程の列車がたんたんと通り過ぎるのを眺めていたような感じがする。
私小説とはこういうものなのでしょうね。
そうでなきゃ犯罪者になってますか。
エンターテインメントを求めてはいけません。
ただ、五十年後には歴史小説になっているかも。
 
ところで、苦役ってなんだ?
 
文章自体は明治の作家が80年代を書いたような、違和感はあるけど退屈せずに読み切れる。
その点、読む側にとって苦役でなかったのは救い。

大人のための新オーディオ鑑賞術

恐らく40代以上の人ならオーディオコンポ、ミニコンポ、ラジカセのどれかを持っていたのではないでしょうか。私の場合、オーディオコンポで揃えました。まぁ貧乏でしたからローエンドモデルですけど。当時を振り返ってみると、みんなお金が無くてもあれこれ買って楽しんでたような気がします。今だと携帯音楽プレイヤーぐらいなんでしょうかね。便利な半面ちょっとさびしい気もします。
 
大人のための新オーディオ鑑賞術 −デジタルとアナログを両立させた新発想
著者:たくき よしみつ
 
この本を買ってから1年間、机に積みっぱなしでした。ようやく読むことに、と言うか読む物が無くなったからなんですが(^^;
 
1年かぁ〜。発行は1年半前だし、ちょっと情報も古いんじゃないかなぁと思いつつ読み始めました。8章から構成されているのですが、読み進めていくうちに「これは失敗かもしれない。感想も書きようがない。」という気がしました。なにせ読めども読めども最近の音楽事情や圧縮方式の理屈、携帯音楽プレイヤーの現状の話ばかり。途中で睡魔に襲われながらようやく7章まで来たところから俄然面白くなった(オーディオ好きにとってはという意味で)。
 
簡単にまとめると
1.マイクとスピーカーは今でもアナログ。
2.パソコンで音楽データをロスレス圧縮で管理する。だからCDプレイヤーは不要。ソフトはフリーで十分。
3.要はD/Aコンバーター。1〜2万円のものでも十分な性能。
4.手持ちのプリメインアンプとスピーカーを使える。ヤフオクで売り買いして納得のいくものを安価に揃えられる。
 
昔に比べたらなんとシンプルな。と感動したけれど、ちょっと待てよ。これって当たり前やん。パソコン、アンプ、スピーカーを繋ぐ。今もそうしているなぁ。ただ、D/Aコンバーターか。サウンドカードの音は悪いという前提で書いてあるけど、どうかな。
 
そこで、手持ちのもので聴き比べてみた。
オンボードのHDオーディオRealtek ALC889A(2年前の製品)
グラフィックのHDオーディオRadeon HD4350(1年前の製品)
外付けONKYO SE-U33GX(5年前の製品)
 
年代もバラバラですけど、分かるほどの違いは無かった。ノイズが乗る事もなく、楽器もはっきり区別できるし、「聞こえなかったものが聞こえた」なんて事もない。ですから私にはオンボードのHDオーディオで十分です。むしろ手持ちのプリメインアンプが雑音を拾っている。
 
では、最新のアンプはどうなっているのだと調べてみると、D/Aコンバーターを搭載したプリメインアンプが5万円も出せばある。評価も高そうなので、これは一度聞いてみたいなぁと思わせられた。
 
この本は、読み始めはつまらなかったけど、読み進めればその話が必要なのが分かる。終盤は分かっていることを再認識させ、読後に昔のオーディオ熱を呼び覚まさせる。そんな一冊でした。
 

ヒトラーの経済政策

子供の頃から戦争ものが好きで、今はもうないサンケイ出版の第二次世界大戦シリーズなんかを図書館から借りてきては読みふけっていたものです。社会人になってからは、通勤電車の中で朝日ソノラマの新戦史シリーズ、航空戦史シリーズなんかをよく読んでいました。そういう本を読んでいて、いつも不思議に思うのは、これだけの規模の戦争をする経済力はどこからくるのかということ。そしてもう一つ、なぜ戦争が起こるのかということです。この本は図らずも後者の疑問に関するヒントを与えてくれました。
 
ヒトラーの経済政策  −世界恐慌からの奇跡的な復興
著者:武田知弘
 
第一次大戦後のドイツは、疲弊した国内経済で多額の賠償を支払わなければならず、紙幣を乱発、ハイパーインフレを起こしてしまう。インフレが終息し出した頃、今度は世界恐慌に見舞われる。そこでヒトラー率いるナチス党が政権を取り、経済を奇跡的な速さで復興させる。さて、その方法は?
 
読んでみると、なるほどと思う事は多い。当時のドイツは、景気、失業、少子化、中小企業、農業、今の日本が抱える様々な問題を独創的な方法で改善していったようだ。ある意味バラ色。
 
ただし、その裏で輸入超過のため保有する金がどんどん減ってゆき、いずれ国民生活に必要な物資が輸入できなくなる恐れがある。なんとか自前で資源を確保したい。そのためには以前の領土を回復したい。こうしてどんどんきな臭い方向へ突き進んでゆくことになるわけですね。今も昔も戦争の理由は「国民を食わせる」ってことなのか。
 
現在と同じような経済恐慌後にナチスが取った経済対策の色々と面白い話が沢山出てくるのですが、結論は『資本主義のいいところと社会主義のいいところをうまく混ぜ合わせなければ、経済はうまくいかない』ということ。これって中国のこと?昔の日本のこと?経済効率一辺倒の現代への戒めですかね。

遺産分割審判(4)

裁判所から封書が届いた。
こちらだけ呼び出すと言っていた分だなぁと思いながら読んでみると、書類の頭に『寄与分を定める
処分審判事件』とあった。今までは『遺産分割申立事件、寄与分を定める処分申立事件』と併記され
てたのと違います。
 
さて、当日。今回は父一人で行って来たのですが、帰りが遅い。どこをほっつき歩いてるんやろと思
っていたら、帰って来るなり「今までかかった。3時間もかかった。茶も出しやがらんと。」と不満
たらたら。どんな話をしたのかと聞くと、祖母が生まれた頃の話から始まって、亡くなるまでの経歴について聞かれたとのことだった。
 
へ〜さすがに生まれた頃の話を聞かれるとは思わんかったな。けど、たぶんちゃんと答えたんだろう
と思う。なにせ家族全員、散々昔話を聞かされてたから、祖母の半生分ぐらいは暗記してるから(^^;
 
その他、寄与分として挙げているものを一つ一つ話したそうで、結局今までで一番の長丁場となって
しまったようです。こんなに時間がかかるとは予想してなかった分だけ疲れたようです。
 
次回は未定。また何かあったら呼び出すそうです。