街場のメディア論

著者はここ数年、一般人にも名が知られてきた大学教授。大阪市長の特別顧問もしてるんですね。知人の薦めで読んでみました。
 
街場のメディア論
著者:内田樹
 
大学での講義内容を元に書かれているので、対象は二十歳前後の若者ということです。ですからまず、働くというのはどういうことか、就職とは何かというような切り口で「キャリア教育」についての考えから始まります。そして、本題の「メディア論」、「著作権」などについて講義が進んでゆきます。
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全体の印象としては、突っ込みどころ満載やなぁというところ。もしかして生徒の質問を誘うため、わざと脇を甘くしているのかと思うぐらい。私は本を読むとき疑問に思ったところへ付箋を貼ってメモ書きするのですが、読み終わった時にはこんなふうになりました。特盛りだ。
 
こんなに疑問点が多いのは、著者が問題点として取り上げる部分はいいとして、その原因に対する考察があまりに雑なせいだろう。これは、原因として挙げた部分が、著者の経験則から導き出された考えであるため因果関係を説明できておらず、いかにも後付の添え物のような扱いになっている。つまり理屈の正しさを軽視しているところからきている。60年生きていても人間一人が経験することなんてたかが知れているのだから、経験から導きだしたり、それを例として取り上げるのは止めておいた方がよい。
 
とにかく、随想ならこれで結構だと思うけれど、生徒へ講義する内容かと考えるとかなり疑問。こういう言説をする人物をもてはやす現代メディアに対しても疑問を持つ。こんな根拠薄弱なものを”街場の・・・論”なんて言って欲しくは無い。或いは”街場”というのは著者の逃げなのか。
 
本当はこの数倍感想を書いたけど、途中でばかばかしくなったので一つだけ書くことにする。
 
「現代メディアは・・・」というような定型的な批判に対して批判しているが、著者自身、教育、医療、メディアなどで起こっている問題点は、小泉政権で行われたグローバリズム、市場原理主義が原因だ、という定型に陥っている。そこから更に踏み込まないとだめ。
 

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