漢文の素養

何故買ったのかよく覚えてないのですが、まぁいいやと読んでみました。
 
漢文の素養 誰が日本文化をつくったのか?
著者:加藤徹
 
漢文の本という先入観で読み始めたのに、歴史、文化、宗教などの話が随所に出てくる。だから、こ
こ最近読んだ5、6冊の本と偶然にしても関連しているなと強く思わされたので、ちょっと驚いた。
ばらばらなテーマで読んでるつもりだったのに。
 
まぁ歴史、文化、宗教どれを扱っても”日中交流二千年史”みたいな本になってしまうのだから仕方
がないのかな。漢字を題材にしても、文化を題材にしても、あるいは宗教を題材にしても、行きつく
ところはここになるってことか。
 
さて、それはそうと、この本、なかなか面白い。書き方は単調といえるぐらい起伏が無いのに、内容
で読ませる。「卑弥呼は漢字が書けたのか」や「聖徳太子はどのように漢文を読んだか」「思想戦と
しての元禄赤穂事件」などなど興味をひかれる見出しが並ぶ。
 
例えも身近で面白い。漢字にどうして幾つも読みが有るのかを説明するのに日本文化の特徴としての
「棲み分け」をあげる。権力者は天皇家、摂関家、将軍家と棲み分ける。元号も西暦と棲み分ける。
ゴム(オレンダ語)、ガム(英語)、グミ(ドイツ語)と言い分けたりするのと漢字音の併存は似て
いると。
 
あと、興味をひかれたのは”新漢語”についてかな。明治期の日本人は外来語を漢語化して中国へ輸
出した。例えば、経済、自由、権利…。しかし、昭和・平成になって新漢語を作れなくなり、中国か
ら輸入している。例えば、電脳(パソコン)。
 
でもな、先ほどのゴムを漢字で書くと護謨。ガムやグミのパッケージに護謨と書かれて上手そうに見
えるだろうか。電脳も日本では意味が違っているような…。それに簡体字のことに触れないのはどう
してだろ。
 
もうひとつ気になったのは、著者の考え。本文より引用すると『現代の日本の政治家は、少数の「勝
ち組」のパワーで日本社会が浮上できると勘違いしているように、筆者には思える。』という部分。
やはり話題の行きつくところはそこなんですね。
 
最近どの本を読んでも問題意識が共有されているように思う。これは社会の閉塞感のためなのか、は
たまた…。

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