実録 政治vs.特捜検察

検察審査会、証拠改竄、国策捜査、冤罪事件に再審無罪等々随分身近な話題になった感がある検察という組織に対する告発の書、なのかと思って買ってはみたのだが…
 
実録 政治vs.特捜検察  ある女性秘書の告白
著者:塩野谷晶
 
著者は、相沢英之、坂井隆憲両議員の秘書を経て衆参選挙へ立候補し落選。三度目の選挙に臨んだ矢先、坂井議員の収支報告書に関する政治資金規正法違反容疑で逮捕されたそうです。2003年のことですが、すいません記憶にありません(^^;本書を読んだ限りでは、かなり自己中心的で自己顕示欲が強いタイプとお見受けする。まぁこれぐらいアクが強くないと政治家に成ろうとは思わんのかな。でもそういう人間が多いとマイナス面の方が大きい気がする。
 
内容は、
政治資金規正法違反での逮捕者第一号である著者の逮捕から裁判までの経験
石川知裕衆議院議員との対談
若狭勝弁護士との対談
政治家秘書の仕事
の四つから構成されています。
 
政治資金規正法なんて、曖昧で不完全で矛盾だらけで効果も無く、どの政治家も程度の差こそあれ違反状態なのに、どうして自分達だけがいきなり逮捕され有罪になり、公民権停止になったのか。告白というより懺悔に近い内容で、ちょっと拍子抜けしました。
 
言いたいことは理解できるし、悔しさがにじみ出ているその気持ちもわかるけれど、なぜだかしっくりこない。そりゃそうだろう、読んだ人は恐らく一様に「そりゃいかんやろー」と思うような内容だからだ。
 
世の中が変わる。自由競争は不正を招く。それを防ぐために情報公開を求め、説明責任を求める。最近話題の生食用肉の販売なんかも曖昧で、取り締まる側も取り締まられる側もある種阿吽の呼吸のようなもので問題なくやっていたのに、調子に乗り過ぎたのかそれをぶち壊しにするような事件が起きる。すると規制が厳しくなる。この事件だけでなく、世の中の全てがその様にして変わっていっていないだろうか。こういった重大な事件が起きなくても、取り締まる側が少しずつ取り締まる基準を下げることもある。
 
そういった世の中の変化に政治家やその秘書が疎いというのはどういうことだろう。事件に関して著者の反省点は理解できるので責める気はないけれど、これまたなぜだかしっくりこない。
 
こういう状態の著者が、現在疑惑の渦中にいる石川議員と対談しても何となく噛み合わない。元検事の若狭弁護士には愚痴を言っているようにしか読めない。同じく逮捕されながら詐欺で有罪の辻元清美議員は公民権停止にならないことに対する不満もわかるけど苦笑するしかない。
 
問題として取り上げられている特捜部の取り調べについても世の中で喧伝されている以上の情報は読み取れない。最後に取り上げている政治家秘書の仕事のことなんか特捜検察と何の関係もない。別の本にしてもよかったのにな。
 

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