中国が憧れた理想の国日本

タイトルを見ると、ちょっと右よりな気もするけれど、中身はいたって真ん中。日中それぞれの歴史上の人物を淡々と紹介している。日中の歴史を考えるなら押さえておくべき一冊かな。
 
中国が憧れた理想の国日本 学校では教えない本当の歴史
著者:拳骨拓史
 
本書の”はじめに”には、戦後中国で戦犯として処刑された日本人の遺書が紹介されている。みんな三十〜四十歳ぐらいなのに、日中友好や日本の将来に思いをはせているだけで恨みつらみの類は一切ない。大変しっかりした大人の文章を書いている。初めはそう感じたけれど、読み進めていくうちに、本当にこんなにすがすがしい気持ちでいられるのかという疑問もわく。理不尽な死を前にして、それに何らかの意味を持たせないとやっていられないからではないか、著者がそういった遺書だけを抽出した結果ではないのか。そんなふうに印象が変わってゆくのだけれど邪推のしすぎだろうか。
 
古代の日中関係は現代の日米関係と似ているな。どちらも一方通行のように考えられているけれど、実はちゃんと交流しているから、双方に恩恵があるのだな。あまり卑下しなくてもいいのかも。
 
吉田松陰の言葉として「(前略)外国の書を読めばとかく外国のことのみを素晴らしいと思い、自分の国を卑しんで外国をうらやむようになっていくのはすべての学者に共通する欠点であり(後略)」というのが紹介されている。
 
一面の事実ではあるけれどタイトルが悪くないかな。これでは本当に読むべき人は手に取らないと思う。古代から中世にかけてだけならこのタイトルでもまぁ良いとしても、近代史ではアレルギー反応をしめす人もいるだろうなぁ。『日中友好二千年史 学校では教えない本当の歴史』ぐらいで丁度良いような気がする。
 

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