ヒトラーの経済政策

子供の頃から戦争ものが好きで、今はもうないサンケイ出版の第二次世界大戦シリーズなんかを図書館から借りてきては読みふけっていたものです。社会人になってからは、通勤電車の中で朝日ソノラマの新戦史シリーズ、航空戦史シリーズなんかをよく読んでいました。そういう本を読んでいて、いつも不思議に思うのは、これだけの規模の戦争をする経済力はどこからくるのかということ。そしてもう一つ、なぜ戦争が起こるのかということです。この本は図らずも後者の疑問に関するヒントを与えてくれました。
 
ヒトラーの経済政策  −世界恐慌からの奇跡的な復興
著者:武田知弘
 
第一次大戦後のドイツは、疲弊した国内経済で多額の賠償を支払わなければならず、紙幣を乱発、ハイパーインフレを起こしてしまう。インフレが終息し出した頃、今度は世界恐慌に見舞われる。そこでヒトラー率いるナチス党が政権を取り、経済を奇跡的な速さで復興させる。さて、その方法は?
 
読んでみると、なるほどと思う事は多い。当時のドイツは、景気、失業、少子化、中小企業、農業、今の日本が抱える様々な問題を独創的な方法で改善していったようだ。ある意味バラ色。
 
ただし、その裏で輸入超過のため保有する金がどんどん減ってゆき、いずれ国民生活に必要な物資が輸入できなくなる恐れがある。なんとか自前で資源を確保したい。そのためには以前の領土を回復したい。こうしてどんどんきな臭い方向へ突き進んでゆくことになるわけですね。今も昔も戦争の理由は「国民を食わせる」ってことなのか。
 
現在と同じような経済恐慌後にナチスが取った経済対策の色々と面白い話が沢山出てくるのですが、結論は『資本主義のいいところと社会主義のいいところをうまく混ぜ合わせなければ、経済はうまくいかない』ということ。これって中国のこと?昔の日本のこと?経済効率一辺倒の現代への戒めですかね。

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