デフレと超円高

デフレを扱った本、というものが色々とあるようですが、ベストセラーは読まない主義ですので、そこまで売れていなさそうな本を読んでみる事にしました。(失礼な!)
 
デフレと超円高
著者:岩田規久男
 
著者は98年まで経済学部の教授をされていた金融・都市経済学を専門とする学者。著作も多数あるようですが、現在何をされているのかは著者略歴に書かれてない。初めて見る名前だったので有名な人なのかは知りません。
 
デフレは日銀の金融政策で解消できる。具体的にはマネタリー・ベースと超過準備を持続的に拡大させ、予想インフレ率を上昇させること。その結果、円高も治まる。福井日銀は0(ゼロ)インフレ・ターゲット、白川日銀はデフレ・ターゲット。なら、緩やかなインフレ・ターゲットも出来るだろうというのが著者の考え。
 
デフレはなぜいけないのか。円高になると輸出産業に不利で、輸入品と国内で競争する産業にとっても不利。企業は利益を上げられないため、賃金が下がり、非正社員が増え、失業率を上昇させる。資産価値を下げ、借金の負担が重くなる。社会保障制度が維持できなくなる。財政再建ができなくなる。から。
 
巷で言われている、安価製品輸入デフレ説、中抜きデフレ説、生産性向上デフレ説、銀行デフレ説、低生産性デフレ説、生産年齢人口減少デフレ説、これら「構造デフレ説」のどれも誤り。これらは言いかえると、金融政策ではデフレを止められないという前提がある。
 
しかし、なら金融政策として(本文より)
『「日銀が長期国債をもっと買うべきだ」というと、日銀も「構造デフレ説」論者も、「ハイパー・インフレになる」、「円の対外相場が暴落する」、「国債価格が暴落し、金利が暴騰する」といいだす。
中略
何かというと、「ハイパー・インフレだ」、「円の暴落だ」、「金利の暴騰だ」と騒ぎ立てる人がいるが、これは「日本人は、世界の多くの国のように、適度のインフレも、適度の為替相場も、適度の金利も実現できない低能な人種だ」といっているのに等しい。』
 
大笑いした。いいぞ、もっと言ってやれ!
 
基本的に素人向けに噛んで含むように書かれています。名目・実質・実効なんて見慣れない言葉が並ぶと意味を考えながら読むだけで大変ですが、一読の価値ありです。

デフレと超円高」への1件のフィードバック

  1. 大塚

    なんと!この著者が日銀副総裁になるとは…
    ここ数カ月、メディアで著者のことが報道されているのを見て驚いた。
    二十年以上前から日銀批判をしていたなんて、全然知らなかった。
    時代が変わったということか。
    とにかく期待したいと思います。
    ただ問題は多数決で物事を決めるので他の審議委員がどうでるかではないでしょうか。

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