エコ論争の真贋

うっかり買ってしまった本です。エコ論争の本に温暖化の話題が出てくることに違和感を持ってしまったのですがおかしいかな。
 
エコ論争の真贋
著者:藤倉良
 
本書は、国内的にはゴミの減量、地球規模では温暖化と生物多様性、この三つの話題からなっている。
 
ゴミの減量について著者によれば、リサイクルが進んだ現在でも、
家庭から出るゴミの総量は減っていない。
市町村はごみ減量ではなく焼却灰を減らしたい。
最終処分場は20年ほどで焼却灰で満杯。
だから高額になってもリサイクルして焼却灰を減らしたい。
家庭ごみの容積の6割は容器包装プラスチック。
プラスチックは燃やすと灰はあまり出ない。
焼却灰を減らすという意味ではプラスチックのリサイクルはあまり効果がない。
にもかかわらず容器包装リサイクル法を作ってリサイクルさせている。
生ゴミを燃やすのにプラスチックが混ざっているほうが良く燃える。
焼却場では完全燃焼させるために石油を注いでいる。
プラスチックが混ざっていると石油の節約になる。
 
ここまで書いておいて、『では、リサイクルするのと焼却するのとではどちらがいいのでしょう。』と言う。しかしながらどちらがいいかは書いていない。
 
続けて『さて、容器包装プラスチックのリサイクルは環境に良いのでしょうか。』と同じような問題を提起し、
容器は捨てる前に洗わなければいけない。
よって下水処理が必要。
もしくは海や川へ放流され環境に悪い。
ゴミの収集回数が増え環境に悪い。
 
と、ここまで書いておいて、同じく良いのかどうかは書いていない。
 
ところが、ペットボトルのリサイクルの段になると、武田邦彦氏の考えに反駁する形でペットボトルのリサイクルは無駄とは言い切れないと言う。一体これはどういうことだろう。ペットボトルリサイクルも容器包装プラスチックリサイクルと同じ問題点を抱えていると思うのだけれど。
 
そして、レジ袋は海洋生物がクラゲと間違えて食べてしまうので、なくしたほうが良いと言う。こんな話なら科学者がする必要は無いだろう。
 
なんとも曖昧な不思議な感じ。
 
続いて地球温暖化
メカニズムとしては、二酸化炭素が地表面から放出された赤外線を吸収する。
吸収した赤外線を放出するとき、半分は宇宙へ、もう半分は地表へ返される。
これが温室効果。
 
1年間に全世界で消費される化石燃料による廃熱は、320エクサジュール。
原子力発電による廃熱は、32エクサジュール。
太陽から受ける熱量は、550万エクサジュール。
人工廃熱は太陽エネルギーの0.0064%で地球の気温にはほとんど影響を与えないのだそうだ。
 
しかし、ここまで書いておいて、二酸化炭素が吸収する熱量は何万エクサジュールなのかは書いていない。なぜ同じ尺度で話をしないのか。
 
話をまとめると、化石燃料を燃やして出る熱量では地球の気温にほとんど影響はないが、そこから排出される二酸化炭素は影響を与えるほどのエネルギーを蓄積・放出する。
 
肩をすくめるしかないなぁ。
 
最後の生物多様性
結局、生物が絶滅するとカワイソウだから問題なのではなく、人間にとってデメリットがあるからということらしい。
 
それはそれで清々しい。
 
著者は元環境庁技官だそうだ。なるほど読んでみると政府の意見に沿っているなぁ。真贋を言えるほど中立的な立場でもないし、真の方も贋の方も科学者なのだから「科学者の目でジャッジする」と言われてもね。

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