イチローのバットがなくなる日

新聞の読書コーナーで紹介されていたので読んでみました。
 
イチローのバットがなくなる日
著者:長谷川晶一
 
ルポルタージュですけど写真や図表は一切なし。文字による説明と小説のような情景描写でそれらを上手く描いていて一気に読ませてくれる。
 
内容は、バットに使われる木について、そしてそこに関わる人々のお話し。タイトルに固有名詞が入っていますが、野球選手へのインタビューはありません。
 
バットに使われている木は、トネリコ、アオダモ、メイプルと順に変遷したそうで、本書の中心はアオダモという樹種についてです。必要な太さの木となると樹齢60〜70年の天然木しかないそうで、これの入手が困難になってきたという事です。困難と言うのは資源枯渇というより採算が合わないためのようです。
 
これは、プロ野球選手にバットを提供、選手が活躍すれば宣伝になり、売り上げ増に繋がるというビジネスモデルに原因があるようです。どこの業界もそうですが、右肩上がりの時のシステムは、市場が縮小したり、不況が長期化すると負担だけが残るんですね。
 
2、3年もするとアオダモのバットはなくなるということです。一方10年ほど前からはアオダモの植樹も始めており、上手くゆけば、あと30年ちょっとでバットの材料にできそうです。
 
でもその頃、バット材としての需要は果たしてあるのだろうか。その事について本書は触れていません。

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